AIに投資について相談するとき、
「おすすめの投資を教えて」
「毎月いくら積み立てればいい?」
「暴落したけど売った方がいい?」
と聞くだけでも、答えは返ってきます。ただ、その人の年齢や家族構成、収入、資産状況、投資目的まで分からなければ、どうしても一般的な回答になりやすいのではないかと思いました。
そこで作ったのが、自分のプロフィール・投資目標・ルール・相談内容を整理してからAIへ渡すための「AI相談アプリ」です。この記事では細かな操作方法ではなく、
- なぜAIへ渡す情報を整理するのか
- どんな情報を選ぶのか
- 実際に投資初心者という設定で相談するとどうなるのか
AIへの投資相談で足りないのは「文脈」かもしれない
たとえばAIに、「おすすめの投資を教えて」とだけ相談した場合、その人について分かっていることはほとんどありません。
年齢も、収入も、家族構成も、何のために投資しているのかも分からない状態です。そのため返ってくる答えも、一般的な内容になりやすくなります。

そこでこのアプリでは、質問そのものだけでなく、「誰が、どんな状況で、何を目指して相談しているのか」も一緒にAIへ伝えることを考えました。
プロフィール・目標とルール・相談内容の3つを整理する
アプリでは、AIへ渡す情報を大きく3つに分けています。
プロフィール
自分の生活や投資経験など、相談の前提になる情報です。
- 生まれ年
- 家族構成
- 年収・職業
- 投資開始年
- 現金資産
- 毎月の生活コスト
など登録できます。
目標・ルール
何のために投資して、どんな方針で続けるのかを整理します。
- 投資目的
- 目標金額
- 積立設定
- 暴落時の行動
- やらない投資
などです。
相談テキスト
AIに聞きたいことです。

プロフィール・目標/ルール・相談テキストを別々に用意し、必要なものを相談エリアへ集める形にしています。
AIに投資判断を任せるためのアプリではない
このアプリでやりたいのは、
AIがそう言ったから買う
AIがそう言ったから売る
という使い方ではありません。たとえば暴落時なら、相場が下がってから慌てて考えるのではなく、
暴落してもすぐ売らない
分からない商品には投資しない
積立を続ける
といった自分の方針を先に決めておく。そのルールと現在の状況をAIへ伝えたうえで、
今の状況でも、この考え方でよいのか
と壁打ちする使い方を想定しています。

登録した情報を全部送る必要はない
相談内容によって必要な情報は変わります。老後資金について相談するときと、暴落時の行動について相談するときでは、AIに伝えたい情報も同じではありません。
そのため、登録した項目から今回必要な情報だけを選ぶ形にしました。必要な情報だけを選ぶことで、相談文が長くなりすぎるのを防ぎ、AIにも相談の焦点を伝えやすくする狙いがあります。

実際に投資初心者という設定で相談してみる
今回は、次のような家庭を仮定して入力しました。
| 項目 | 今回の設定 |
|---|---|
| 生まれ年 | 1993年 |
| 家族構成 | 夫婦+2023年生まれの子ども1人 |
| 年収・職種 | 420万円・会社員/120万円・パート |
| 投資開始年 | 2026年 |
| 現金資産 | 100万円 |
| 投資目的 | 老後資金 |
| 目標 | 60歳で2千万円 |
| 積立 | S&P500に毎月3万円 |
投資を始めたばかりの初心者で、老後資金を作りたいという設定です。
今回はあえて、毎月の生活費などはAIへ伝えていません。ここが、後の回答で一つのポイントになりました。
今回AIへ送った相談内容
相談テキストは次の2つです。
投資ルールを作っていきたい、やってはいけないことと投資商品を教えてください。
目標に対して毎月3万円の積立は妥当でしょうか。足りない場合や無理がある場合は、どんな考え方で見直せばよいかも教えてください。
これにプロフィール・現金資産・目標・積立設定を加えて、Geminiへ相談しました。

Geminiからはどんな回答が返ってきたか

Geminiの回答はかなり長かったので、ここでは主なポイントに整理します。
※以下は、今回入力した仮のプロフィールに対してGeminiが返した回答を要約したものです。利回りや商品名などを含め、将来の成果を保証するものではありません。
月3万円で2,000万円を目指せるかを試算
Geminiはまず、33歳から60歳までの27年間、毎月3万円を積み立てるという条件から試算しました。回答では、
- 積立元本:約972万円
- 年利3%想定:約1,560万円
- 年利5%想定:約2,050万円
- 年利7%想定:約2,750万円
と示されました。そして、年利5%という仮定なら2,000万円という目標に届く計算になるという回答でした。ここで重要なのは、「3万円で大丈夫」という一言だけではなく、利回りによって結果がかなり変わることも一緒に示された点です。
将来の利回りは分からないため、目標金額から逆算するときも一つの想定だけで決めるのではなく、いくつかの条件で見る必要があります。
積立額だけでなく「家計」を確認する回答になった
今回の相談で特に見たかったのがここです。プロフィールには、
- 子どもが1人いる
- 世帯収入
- 現金資産100万円
まで入力しました。するとGeminiは、投資の利回りだけではなく、
子どもの成長に伴い教育費などの支出が増える可能性がある
という点にも触れました。さらに、
毎月3万円を積み立てられるかだけでなく、手元資金を十分残せるか確認した方がよい
という方向の回答になっています。つまり、「2,000万円に届くか」と「月3万円を無理なく続けられるか」は別の問題だということです。
これは今回、このアプリでプロフィールまで一緒に送った意味が出た部分だと思います。
生活防衛資金についても指摘された
Geminiは、現金資産100万円という情報から、生活防衛資金についても触れました。回答では、生活費の数か月分を現金として確保する考え方を示し、
現金を増やすまでは積立額を抑え、余裕ができてから増額する方法も考えられる
という提案もありました。この回答を見て感じたのは、「60歳で2,000万円」という目標だけを見て積立額を決めるのでは足りないということです。
老後だけではなく、それまでの生活もあります。だからこそ、アプリには「目標」だけでなく「資産・コスト状況」を用意しています。
AIから「もっと情報が欲しい」と言われるのも一つの答え
今回のGeminiの回答の最後には、
家計と今後のライフプランについて教えてください
という趣旨の追加確認がありました。これは今回の記事では、むしろ良い結果だと思っています。なぜなら、毎月3万円が家計にとって無理のない金額かを考えるには、
- 毎月の生活費
- 住宅費
- 教育費
- 今後予定している大きな支出
なども必要だからです。今回はそこを入力していませんでした。AIに相談したことで、「次に整理した方がよい情報」に気づけたことになります。
「やってはいけないこと」についても回答が返ってきた
もう一つの質問では、初心者が避けた方がよい行動についても尋ねました。Geminiからは、
- 生活に必要な現金まで投資へ回さない
- 相場下落時に慌てて売却しない
- 内容を十分理解していない商品へ投資しない
- コストの高い商品などは内容を確認する
といった方向の回答が返ってきました。また、具体的な投資信託の名前も候補として挙げられました。ただし、このアプリで大切にしたいのは、AIが挙げた商品をそのまま買うことではありません。
商品名が出てきた場合も、
「なぜこの商品なのか」
「他にはどんな選択肢があるのか」
「自分の目標やリスク許容度に合うのか」
とさらに確認する材料にする方が、このアプリの使い方には合っていると思っています。
AIと相談しながら、自分のルールを作っていく
今回の相談では、
毎月3万円なら目標に届く?
という質問から始まりました。しかし実際には、利回りだけではなく、現金資産・教育費・生活費まで考える必要があるというところまで話が広がりました。
これは、AIに答えを決めてもらうのとは少し違います。AIとのやり取りによって、アプリ → AI → 気づき → アプリへ戻る → 再相談を繰り返しながら、自分の投資方針を整理していくイメージです。
AIを「答えを出す相手」ではなく「壁打ち相手」にする

AI相談アプリを作った目的は、
「何を買えばいい?」
「今売った方がいい?」
という答えをAIに決めてもらうことではありません。自分の状況や目標を整理し、AIへ相談し、別の視点をもらい、必要なら自分のルールを見直す。
AIを、自分で判断するための壁打ち相手として使う。これが、このアプリでやりたいことです。
まとめ|自分の状況を伝えるところからAI相談を始める
今回、投資初心者という設定で、
- 生まれ年
- 家族構成
- 年収・職業
- 現金資産
- 投資目的
- 60歳時の目標金額
- 毎月の積立額
をAIへ伝えて相談しました。すると、「月3万円で2,000万円を目指せるか」という単純な計算だけではなく、家計や生活防衛資金まで考える必要があるという回答につながりました。
さらに、家計について追加情報を求められたことで、次に何を整理すればよいのかも分かりました。AIへ良い答えを出してもらうためだけではなく、自分自身の考えを整理するためにAIを使う。
そのために、プロフィールや目標、投資ルールを簡単にまとめられるアプリを作っています。
実際にAI相談アプリを使ってみたい方に向けて、操作方法を画像付きでまとめた取説記事も用意しました。



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